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伝記物語と将門 - 4.「将門一代記」
![]() 将門より貞盛の妻へ贈歌の場面 文明開化期の風俗を描く際物的な滑稽本の代表作家であった魯文(ろぶん)の26歳のときの作品。魯文が本書を執筆するについて参考としたのは、曲亭馬琴(きょくていばきん)の『昔語質屋庫(むかしがたりしちやのくら)』と『将門純友東西軍記』、『前太平記』などと思われる。 承平・天慶の乱を発端から叛逆へ、貞盛・秀郷軍との合戦と戦死、後日譚までを俗説を踏まえながら西海の純友の動きと連動させた構成によって、将門をより魅力的に描いた伝記物語としている。また、口絵の形で主要な登場人物の姿絵を掲げているが、なかでも趣向を凝らしたと思われる将門と貞盛の妻との贈返歌の趣きには、魯文らしい情念の粧いが感じられる。 ※1 本名、野崎文蔵(1829〜1894)。別号に鈍亭、野狐庵、猫々道人など。江戸京橋生まれ。代表作に滑稽本『滑稽富士詣』『西洋道中膝栗毛』『安愚楽鍋(あぐらなべ)』(明治4〜5年刊) ※2 歌川派国芳系の浮世絵師 |
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