茶は乾燥品であるため他の食品に比べ保存性は優れているが、管理が悪いと変質し風味を失うので湿気が入らぬよう様々な工夫をこらした。古くから用いられていたものに茶壺がある。茶を入れた後は厳重にめばりする。壺ごと全部めばりする場合もあったが、これは湿気を防ぐとともに共に壺が欠けるのを防ぐためでもあった。
内側にブリキを張った茶箱も用いられた。茶箱は規格がそろえられていたので大量に輸送するには便利だった。旨味と滋味の調和した風味ある新茶も、梅雨期を過ぎるとその風味が劣化する。そこで梅雨明け後に再び「火入れ」をする場合もあった。
「猿島町史」民俗編 第2章 第1節 田と畑 四 茶業