○坂東市農地移動適正化あっせん基準

平成17年4月7日

農業委員会訓令第6号

1 【趣旨及び目的】

坂東市農業委員会(以下「農業委員会」という。)は、農業委員会等に関する法律(昭和26年法律第88号)第6条第2項の規定に基づき、農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号。以下「農振法」という。)による農業振興地域内の農用地等について行う農地保有の合理化のための権利移動のあっせんの事業(以下「農地移動適正化あっせん事業」という。)は、農地移動適正化あっせん事業実施要領(昭和45年1月12日付け44農地B第3712号農林事務次官依命通知)及び農地移動適正化あっせん事業実施要領の運用について(昭和45年4月30日付け45農地B第953号農林省農地局長通知)に従って定めるこの基準により行うものとする。

この事業は、農用地等の権利(所有権、賃借権その他の使用収益権)の移動が農業経営規模拡大及び農用地等の集団化に寄与し、かつ、農業振興地域整備計画に定める将来育成しようとする農業経営をできるだけ早い時期に育成するため実施するものとする。

2 【定義】

(1) この基準において「農業を営む者」とは、農業によって自立しようとする意欲と能力を有する農業生産の中核的担い手となることを志向する農業者(農地所有適格法人、農業後継者及び新規就農希望者(新たに農業経営を行おうとする者(その世帯主の農業経営の移譲により新たに農業経営を行おうとする者を除く。)をいう。)を含む。)をいう。

(2) この基準において「農用地等」とは、農振法第3条に規定する農用地等(当該農用地等とすることが適当な土地を含む。)をいう。

(3) この基準において「農業振興地域整備計画」とは、農振法第8条第1項に規定する農業振興地域整備計画をいう。

(4) この基準において「農地中間管理機構」とは、農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)第2条第4項に規定する農地中間管理機構をいう。

(5) この基準において「農業協同組合等」とは、農業協同組合、農業協同組合連合会、農事組合法人又は農地法施行令(昭和27年政令第445号)第2条第2項第3号に規定する法人をいう。

(6) この基準において「農地所有適格法人」とは、農地法第2条第3項に規定する農地所有適格法人をいう。

(7) この基準において「常時従事者」とは、農地法第2条第3項第2号に規定する常時従事者をいう。

3 【農地移動適正あっせん基準】

このあっせん基準は、坂東市が定めた農業振興地域整備計画(農振法第8条第1項の規定に基づき定められた農業振興地域整備計画をいう。以下同じ。)に即して、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 農用地等の権利を取得させるべき者は、農業を営む者及び農地中間管理機構とし、このうち農業を営む者は、次のアからカまでに掲げる要件を備えている者で、農業振興地域整備計画において育成しようとする作目及び農業経営形態に対応して、必要と認められるものであること。

ア その農業経営には、専ら又は主としてその農業経営に従事すると認められる青壮年を含む2人以上の家族農業従業者(農地所有適格法人にあっては、常時従業者たる構成員)がいるものであること。

イ その者が現に農業に従事している農業経営の経営主、農業後継者又は新規就農希望者であって、かつ、農業によって自立しようとする意欲及び能力を有する者と認められること。農地所有適格法人にあっては、当該農地所有適格法人の理事等業務執行権を有する構成員の大部分の者が当該法人を農業生産の中核的担い手に準ずる農地所有適格法人に志向させる意欲及び能力を有すると認められること。

なお、意欲及び能力の判定は、次により行うものとする。

(ア) 過去3年間に自己の責任において経営規模縮小した事実の有無

(イ) 過去3年間に経営規模拡大した事実の有無

(ウ) 現在の農業経営に必要とする資本装備を有すること。

ウ その者が農業経営の経営主であって、年齢60歳以上であるときは、その後継者が現に農業に従事しているか、又は近く従事する見込みがあると認められること。

農地所有適格法人にあっては、常時従事者たる構成員で理事等業務執行権を有する者のうち60歳未満の者がいるか、又は40歳未満の者が近く就任する見込みがあると認められること。

エ その農業経営における当該農用地等の権利取得後の経営面積(農地所有適格法人にあっては、その経営面積をその常時従事者たる構成員に属する世帯の数で除した面積。養豚経営、養鶏経営又は肉用牛肥育経営に係る施設の用に供される土地にあっては飼養規模。以下同じ。)が別に定める場合を除き当該地域における作目及び経営形態別に当該地域における農家の平均の経営面積以上で農業委員会が定める基準面積(養豚経営、養鶏経営又は肉用牛肥育経営に係る施設の用に供される土地にあっては第1表の基準飼養規模。以下同じ。)を超えるものであること。

ただし、この場合農用地を交換する場合であって、その一方の当事者の経営面積が当該地域における基準面積に達していないが、他方の当事者の経営面積が当該地域の基準面積を超えているか、若しくはその交換の結果超えることとなり、かつ、その耕作農地の集団化に著しく寄与する場合、経営規模拡大の目標として定める経営面積を超えている農業を営む者が多いため、当該地域における農家の平均の経営面積を基礎として基準面積を定めることが適当でない場合、又は権利を取得させるべき者が新規就農希望者である場合等当該地域における基準面積によることが相当でないと認められる場合は、第1表によらないものとする。

また、花き栽培及び施設園芸等の集約型経営の場合は、最低50アールを超えるものとする。

第1表 作目及び経営形態別基準

地域名

構成集落名

作物及び経営類型

基準面積

全地域

全集落

稲作及び複合経営

135a

施設園芸

50a

オ その農業経営の資本装備が農用地等の効率的利用の観点からみて適当な水準であるか、又は近く適当な水準になる見込みがあると認められること。

カ その者が取得する農用地等を農業振興地域整備計画に定める農用地利用計画に従って利用することが確実であると認められること。

4 【あっせんの順位】

農用地等の権利を取得させるべきものに対するあっせんの順位は、農業を営む者を第1順位とする。この場合、認定農業者(農業経営基盤強化促進法第12条第1項の規定により認定を受けた者をいう。)及び地域の中心となる経営体(農地中間管理事業の推進に関する法律第26条第1項の規定による地域の農業において中心的な役割を果たすことが見込まれる農業者をいう。)を優先してあっせんするものとする。

また、農業を営む者に対するあっせんが不成立の場合又は農業を営む者にあっせんするよりも農地中間管理機構にあっせんする方が農地保有の合理化に著しく寄与すると認められる場合には、農地中間管理機構にあっせんするものとする。

さらに、農用地等の権利を取得させるべき農業を営む者が2人以上いる場合におけるあっせん順位については、次に掲げる基準及び5に掲げる事項を総合勘案してあっせんにより権利を取得させるべき者を定めるものとする。

(1) 農用地等の権利の取得後における経営面積と経営規模拡大の目標として第2表に定める経営面積との格差が小さい者に対して優先的にあっせんするものとする。

第2表 坂東市類型別経営規模拡大目標面積

(個別経営体)

 

 

水稲作(水稲+普通作)

田 1,500a(水稲1,000a・麦類500a・大豆500a)

 

 

露地野菜

畑 210a(内ハウス10a)

 

 

施設野菜(施設野菜+水稲)

田 300a 畑 30a

 

 

施設野菜+露地野菜

畑 230a(内ハウス40a)

 

 

施設花き

畑 50a(内ガラス温室20a)

 

 

工芸作物(茶)

畑 300a

 

 

(組織経営体)

 

 

水稲作(水稲+普通作+作業受託)

田 3,000a

(水稲2,000a・麦類1,000a・そば1,000a)

(水稲4,000a・麦類1,500a・大豆1,000a・そば500a)

 

 

(2) 農業振興地域整備計画、経営体育成支援事業計画等において育成しようとする農業経営を行おうとする者に対して優先的にあっせんするものとする。

(3) あっせんすべき農用地等の位置その他の利用条件からみて、その農用地等を最も効率的に利用することができると認められる者に対して優先的にあっせんするものとする。

(4) 農用地等の集団化に資する程度が最も大きいと認められる者に対して優先的にあっせんするものとする。

(5) 地域農業の中核的な担い手の育成、確保を図るため最も適当と認められる者に対して優先的にあっせんするものとする。

5 【農業農村整備事業、経営体育成支援事業等との関連上必要であると認められる事項】

当該地域の農業者の大多数の意思に基づいて実施される農業振興施策等がある場合であって、この農業振興施策等との関連において3及び4のあっせん基準にかかわらず特別の基準によりあっせんをする必要があると認められるときは、別に定める基準に従ってあっせんを行うものとする。

6 【あっせん譲受け等候補者名簿の作成】

農業委員会は、あっせんによる農用地等の売渡し、貸付け又は交換の相手方として適当と認められる候補者(あっせん基準に適合し、農業生産の中核的担い手になると見込まれる農業を営む者に限る。)を登録したあっせん譲受け候補者名簿(以下「名簿」という。)様式第1号により作成するものとする。

名簿については、点検に努めるものとし、農業を営む者からの名簿への登録申出、農業委員会の日常活動による把握等を基礎に必要に応じて見直しを行う。この場合、この基準に適合しない者は、名簿に登録しないこととし、この基準に適合する者で名簿に登載がない者にあっせんする場合は、その者を名簿に登録するものとする。

7 【あっせん】

農業委員会は、次の(1)から(3)までに掲げる場合に9で定めるところによりあっせんを行うものとする。

なお、農業委員会は、農用地等の所有者から農用地等の貸付けについてのあっせんの申出があった場合及び名簿に登載されている者から農用地等の借受けについてのあっせんの申出があった場合は、農地中間管理機構が行う農地中間管理事業(農地中間管理事業の推進に関する法律第2条第3項に規定する農地中間管理事業)の活用を促すこととし、申出者が農業委員会のあっせんを希望した場合においてあっせんを行うこととする。

(1) 農用地等の所有者から農用地等の売渡し、貸付け又は交換についての様式第2号によりあっせんの申出があった場合

(2) 名簿に登録されている者から農用地等の買受け又は借受けについて様式第2号によりあっせんの申出があった場合

(3) (1)又は(2)のあっせんに直接関連して他の農用地等を譲渡し、貸付け又は交換のあっせんを行うことが必要と認められた場合

8 このあっせん事業は、次に掲げる場合等不適正な事実があると認められた場合には、あっせんを行わないものとする。

農業委員会は、7の規定にかかわらず、7の(1)の農用地等の所有者からのあっせんの申出で、その売渡し若しくは貸付けの相手方を指定している場合等農地移動適正化あっせん事業の対象として不適当な場合、又はあっせんの申出以前に手付金が支払われていたもの等既に実質的に契約を締結していると認められる場合、不動産業者等が介入していると認められる場合等農地移動適正化あっせん事業の対象として不適正な事実があると認められる場合には、あっせんを行わないものとする。

9 あっせんの手続は、次により行うものとする。

(1) 農業委員会は、7の(1)のあっせんについては、農用地等の権利移動の相手方となるべき者の候補者を名簿の登録者の中から1人以上選定し、その者があっせん基準に適合することを確認の上、その者を当該農用地等の権利移動の相手方となるべき者として選定するものとする。

(2) 農業委員会は、7の(2)のあっせんについては、当該申出者があっせん基準に適合することを確認の上、農用地等の権利移動の相手方となるべき者を選定するものとする。

(3) 農業委員会は、7の(3)のあっせんについては、あっせん基準に基づいて農用地等の権利移動の相手方となるべき者を選定するものとする。

(4) 農業委員会は、8及び9の(1)から(3)により農用地等の権利移動の相手方となるべき候補者を選定した場合には、農業委員会の委員の中からあっせん委員を2人指名し、当該あっせん委員をして農用地等の権利移動のあっせんを行わせるものとする。この場合には、農業委員会は、あっせんの申出をした者及び農用地等の権利移動の相手方となるべき者にあっせんを行う旨及びあっせん委員の氏名を様式第3号及び第4号により通知するものとする。

(5) 農業委員会は、8の農地移動適正化あっせん事業の対象として不適正な事実の有無の確認及び9の(1)から(3)までによる農用地等の権利移動の相手方となるべき者の選定経過を記載した選定調書を様式第5号により作成し、様式第2号による申出書を添付するものとする。

(6) あっせん委員は、あっせんにより農用地等の売買、貸借又は交換が成立したときは、様式第6号によりあっせん調書を作成し、農業委員会に報告するものとする。

(7) あっせん委員は、次に掲げる場合には、当該あっせんを打ち切るものとする。

ア あっせんにより農用地等の売買、貸借又は交換が成立する見込みがないと認めたとき。

イ あっせんの過程で8の農地移動適正化あっせん事業の対象として不適正な事実があると認めたとき。

(8) (7)の場合には、あっせん委員は、様式第7号によりあっせんてんまつ書を作成し、農業委員会に報告するものとする。

(9) 農業委員会は、(7)のアによるあっせんを打ち切った旨の報告を受けたときは、新たなあっせんの相手方を選定してあっせんを行うか、又はあっせんをしないこととするかを決定し、あっせんしない旨の決定をした場合には、その旨をあっせんの申出をした者に通知するものとする。

(10) 農業委員会は、(7)のイによるあっせんを打ち切った旨の報告を受けたときは、あっせんをしない旨の決定をし、その旨をあっせん申出をした者に通知するものとする。

10 【証明書の交付等】

(1) 農業委員会は、9の(6)のあっせんが成立した旨の報告があった場合において、農用地等の権利移動の当事者の一方又は双方から、様式第8号の1から4によるあっせん証明書の交付の申請があったときは、その者から契約書を提示させ、当該契約内容とあっせん調書との照合を行い、当該契約が当該あっせんに基づき成立したものであることを確認の上、あっせん証明書を交付するものとする。この場合、農業委員会は、様式第6号のあっせん調書記載のあっせん終了年月日及び売買価格と契約書上の契約年月日及び売買価格とを照合するものとする。

(2) 農業委員会は、(1)のあっせん証明書の交付後8の農地移動適正化あっせん事業の対象として不適正な事実が判明したときは、あっせん証明書の交付の取消しを行うものとし、関係機関にはその旨通知するものとする。

11 【農地移動適正化あっせん台帳】

農業委員会は、この基準に基づく農用地等の売買、貸借又は交換についてのあっせんの結果を記載した農地移動適正化あっせん台帳を備え置くものとする。

この農地移動適正化あっせん台帳は、様式第6号のあっせん調書、様式第5号の選定調書、様式第7号のあっせんてんまつ書をとじ込んで整理するものとする。

12 【事前届出の勧奨】

農業委員会は、当該地域内の農業者等に対し、農地移動適正化あっせん事業の趣旨あっせん基準等の周知徹底に努めるとともに、農業者等が農用地等の売渡し、貸付け、買受け、借受け又は交換をしようとするときは、あらかじめ農業委員会に届出するように指導するものとする。

13 【事業計画と事業実績の報告】

農業委員会は毎年度農地移動適正化あっせん事業計画を定め、前年度の農地移動適正化あっせん事業実績と併せて様式第9号により5月末日にまでに県知事に報告するものとする。

この訓令は、平成17年4月7日から施行する。

(平成22年農委訓令第3号)

この訓令は、平成22年3月25日から施行する。

(平成23年農委訓令第1号)

この訓令は、平成23年5月10日から施行する。

(平成27年農委訓令第2号)

この訓令は、平成27年7月9日から施行する。

(平成28年農委訓令第5号)

この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

(令和5年農委訓令第1号)

この訓令は、令和5年1月18日から施行する。

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坂東市農地移動適正化あっせん基準

平成17年4月7日 農業委員会訓令第6号

(令和5年1月18日施行)

体系情報
第9編 産業経済/第1章 農業委員会
沿革情報
平成17年4月7日 農業委員会訓令第6号
平成22年3月25日 農業委員会訓令第3号
平成23年5月10日 農業委員会訓令第1号
平成27年7月9日 農業委員会訓令第2号
平成28年3月10日 農業委員会訓令第5号
令和5年1月18日 農業委員会訓令第1号