○坂東市監査基準

令和2年3月26日

監査委員告示第2号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 一般基準(第5条―第11条)

第3章 実施基準(第12条―第18条)

第4章 報告基準(第19条―第24条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この基準は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)、地方公営企業法(昭和27年法律第292号。以下「公企法」という。)及び地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号。以下「健全化法」という。)の規定に基づき、第4条第1項第1号から第9号までの監査(以下「監査」という。)同項第10号の検査(以下「検査」という。)及び同項第11号から第14号までの審査(以下「審査」という。)の実施、報告等に関して監査委員のよるべき基本事項を定めるとともに、議会及び市長又は関係する行政委員会等(以下「市長等」という。)との関係を明確にすることを目的とする。

(規範性)

第2条 この基準は、監査委員監査の基準であり、監査委員は、実施可能にして合理的である限りこれに従って監査、検査及び審査(以下「監査等」いう。)の実施に努めなければならない。なお、この基準に定められていない事項については、一般に公正妥当と認められる他の関連する基準等を参考にするものとする。

(監査等の目的)

第3条 監査等の目的は、次に掲げる事項を実施することにより、本市の行財政運営の健全化と透明性の確保に寄与し、もって住民の福祉の増進と市政への信頼確保に資することである。

(1) 監査及び検査については、市の行財政運営が法第2条第14項から第16項までの趣旨にのっとり、公正で合理的かつ効率的に実施されているかを住民の視点に立って確認し、監査委員が自ら入手した証拠を基に総合的に検証した結果を監査及び検査の結果や意見として提出し、法の規定により公表する。

(2) 審査については、市長から審査に付された決算等が一般に公正妥当と認められる地方公会計の基準等に準拠して作成され、その内容を適正に表示していること及び予算の執行又は事業の経営が適正に、効果的で効率的かつ経済的に行われていることを、監査委員が自ら入手した証拠を基に審査した結果を意見として表明する。

(監査等の種類)

第4条 監査等の種類は、次のとおりとする。

(1) 財務監査(法第199条第1項の規定による監査)

(2) 行政監査(法第199条第2項の規定による監査)

(3) 住民の直接請求に基づく監査(法第75条の規定による監査)

(4) 議会の請求に基づく監査(法第98条第2項の規定による監査)

(5) 市長の要求に基づく監査(法第199条第6項の規定による監査)

(6) 財政援助団体等に対する監査(法第199条第7項の規定による監査)

(7) 公金の収納又は支払い事務に関する監査(法第235条の2第2項又は公企法第27条の2第1項の規定による監査)

(8) 住民監査請求に基づく監査(法第242条の規定による監査)

(9) 市長又は企業管理者の要求に基づく職員の賠償責任に関する監査(法第243条の2の2第3項又は公企法第34条の規定による監査)

(10) 例月現金出納検査(法第235条の2第1項の規定による検査)

(11) 決算審査(法第233条第2項又は公企法第30条第2項の規定による審査)

(12) 基金の運用状況審査(法第241条第5項の規定による審査)

(13) 健全化判断比率審査(健全化法第3条第1項の規定による審査)

(14) 資金不足比率審査(健全化法第22条第1項の規定による審査)

2 前項第1号の財務監査は、定期監査(法第199条第4項の規定による監査)又は随時監査(法第199条第5項の規定による監査)として実施する。

第2章 一般基準

(倫理規範)

第5条 監査委員は、高潔な人格を維持し、いかなる場合も信義にのっとり誠実な態度を保持しなければならない。

2 監査委員は、常に独立的かつ客観的な立場で公正不偏の態度を保持し、正当な注意を払って監査等を実施しなければならない。

3 監査委員は、職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は他の目的に利用してはならない。その職を退いた後も同様とする。

4 監査委員は、第3条の目的を達成するため、常に自己研さんに努めなければならない。

(指導的機能の発揮)

第6条 監査委員は、第3条の目的を達成するため、監査等の対象組織に対し、適切に指導的機能を発揮するよう努めなければならない。

(監査等の実施)

第7条 監査委員は、監査等の対象に係るリスクを考慮して、効果的かつ効率的に監査等の実施に努めなければならない。リスクの重要度については、必要に応じて内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した上で総合的に判断しなければならない。

(報告の徴取)

第8条 監査委員は、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号。以下「法施行令」という。)第168条の4第3項又は地方公営企業法施行令(昭和27年政令第403号)第22条の5第3項の規定により、指定金融機関等に対する検査の結果について、会計管理者又は公営企業管理者に対して報告を求めることができる。

2 監査委員は、法施行令第158条の2第5項の規定により、地方税の収納事務の受託者に対する検査の結果について、会計管理者に対して報告を求めることができる。

(監査調書の作成及び保存)

第9条 監査委員は、年間監査計画及び実施計画(以下「監査等の計画」という。)並びにこれに基づき実施した監査等の結果及び関連する証拠を監査調書として作成し、坂東市文書管理規程(平成17年坂東市訓令第6号)第57条に規定する文書保存期間に応じて適切に保存しなければならない。

(情報管理)

第10条 監査委員は、監査等において入手し、又は作成した情報が意図せず外部に流出しないよう、情報管理を徹底しなければならない。

2 監査委員は、監査等において入手した個人情報について、坂東市監査委員個人情報の保護に関する法律等施行規程(令和5年坂東市監査委員告示第1号)に基づき適切に取り扱わなければならない。

(品質管理)

第11条 監査委員は、監査等が本基準に基づいて適切に実施されるために必要な品質管理の体制を整備するよう努めなければならない。

2 監査委員は、監査等の品質管理の体制により監査が適切に実施されていることを定期的に評価するよう努めなければならない。

3 監査委員は、監査等の全ての過程において、監査委員に関する事務を補助する職員等を適切に指導監督するよう努めなければならない。

第3章 実施基準

(合理的な基礎の形成)

第12条 監査委員は、監査等の実施に当たり、十分かつ適切な監査等の証拠を入手し、表明する監査等の結果及び意見の合理的な基礎を形成しなければならない。

(監査等の実施方針及び計画の策定)

第13条 監査委員は、本市を取り巻く環境、議会の動向、市長の市政に対する理念及び方針、リスク管理体制及び内部統制体制等のガバナンスの状況、情報技術の利用状況、過去の監査結果に対する措置の状況並びに監査資源等を総合的に勘案し、監査等の方向性及び重点項目等についての実施方針を策定するものとする。この場合において、当該実施方針は、環境等の変化に応じて適宜見直さなければならない。

2 監査委員は、前項の実施方針に基づき、監査等を効果的かつ効率的に実施することができるよう、監査等の計画を策定しなければならない。

3 監査委員は、年間監査計画の策定に当たり、リスクの重要度及び過去の監査結果に対する措置の状況等を評価し、監査資源等を総合的に勘案した上で、次に掲げる事項を定めなければならない。

(1) 実施予定の監査等の種類及び対象

(2) 監査等の対象別実施予定時期

(3) 監査等の実施体制

(4) 前各号に掲げるもののほか、監査委員が必要と認める事項

4 監査委員は、実施計画の策定に当たっては、監査等の対象に係るリスクが及ぼす影響の重要度を評価した上で、その程度に応じて体系的に次に掲げる事項について定めなければならない。

(1) 監査等の種類

(2) 監査等の対象

(3) 監査等の着眼点

(4) 監査等の主な実施手続

(5) 監査等の実施場所及び日程

(6) 監査等の担当者及び事務分担

(7) 前各号に掲げるもののほか、監査等の実施上必要と認める事項

(監査等の計画の変更)

第14条 監査委員は、監査等の計画の前提として把握した事象や環境等が変化した場合又は監査等の実施過程で事前のリスク評価に重大な影響を与えるような新たな事実を発見した場合には、適宜監査等の計画を変更しなければならない。

(監査等の手続)

第15条 監査委員は、監督等の対象に係るリスクの重要度、内部統制の整備及び運用状況の有効性を考慮して、十分かつ適切な監査等の証拠が入手できるよう、実施すべき監査等の手続を定めなければならない。

2 監査委員は、監査等の結果及び意見を決定するに足る合理的な基礎を形成するために、監査等の手続に当たり、有効性、効率性、経済性、合規性、実在性、網羅性、権利と義務の帰属、評価の妥当性、期間配分の適切性、表示の妥当性等に着目しなければならない。

3 監査等の手続は、試査又は精査によるものとする。なお、監査等の手続の結果、異常の兆候を発見した場合等必要と認める場合は、監査等の手続を追加して実施しなければならない。

4 監査委員は、監査等の実施において不正の兆候を発見した場合には、適宜監査等の手続を追加して十分かつ適切な監査等の証拠を入手し、監査等の結果及び意見の合理的な基礎を形成しなければならない。

(実施すべき監査等の手続の適用)

第16条 監査委員は、効果的かつ効率的に十分かつ適切な監査等の証拠を入手するため、実査、立会い、確認、証拠突合、帳簿突合、計算突合、分析的手続、質問、観察、閲覧等の手法について、これらによって得られる証拠力の強弱及び当該手続の容易性を勘案し、適宜これらを組み合わせる等により、最も合理的かつ効果的となるよう選択の上、実施すべき監査等の手続として適用しなければならない。

(他者情報の利活用及び調整)

第17条 監査委員は、監査等の実施に当たり、市長部局等の内部監査人、監査役、監事等と必要に応じて連携の上、情報収集を図り、効果的かつ効率的な監査等の実施に努めなければならない。

2 監査委員は、前項に掲げる者から得た情報を利活用する場合には、その品質管理の状況等に基づく信頼性の程度を勘案して、利活用する程度及び方法を決定しなければならない。

3 監査委員は、学識経験者から意見を聴く等専門家の業務を利活用する場合には、専門家としての能力及びその業務の客観性を評価し、その業務の結果が監査等の証拠として十分かつ適切であるかどうかを検討しなければならない。

(弁明、見解等の聴取)

第18条 監査委員は、原則として監査の結果に関する報告の決定の前に、対象部局等の長から弁明、見解等を聴取するよう努めなければならない。

第4章 報告基準

(報告及び意見の提出)

第19条 監査委員は、監査又は検査を終了したときは、結果に関する報告を議会及び市長等に提出しなければならない。なお、監査の結果に基づいて必要があると認める場合には、結果に関する報告に添えて意見を提出することができる。

2 監査委員は、審査を終了したときは、意見を市長に提出しなければならない。

3 監査委員は、前2項の報告及び意見(以下「監査報告等」という。)の提出に当たり、住民が理解しやすいように平易かつ簡潔明瞭な表現とするよう努めなければならない。

(監査報告等の内容)

第20条 監査報告等には、原則として次に掲げる事項を記載しなければならない。

(1) 本基準に準拠している旨

(2) 監査等の種類

(3) 監査等の対象

(4) 監査等の着眼点

(5) 監査等の主な実施内容

(6) 監査等の実施場所及び日程

(7) 監査等の結果及び意見

(8) 前各号に掲げるもののほか、監査委員が必要と認める事項

2 監査委員は、重大な制約等により重要な監査等の手続を実施できず、監査又は検査の結果及び意見を表明するための合理的な基礎を形成することができなかった場合には、必要に応じて監査報告等に、内容、理由等を記載しなければならない。

(監査委員の合議)

第21条 監査報告等の決定等のうち、次に掲げるものは監査委員の合議によらなければならない。

(1) 第4条第1項第1号から第6号まで及び第9号に定める監査結果

(2) 第4条第1項第8号に定める監査及び勧告

(3) 第4条第1項第11号から第14号までに定める審査意見

(監査報告等の公表)

第22条 監査委員は、監査報告等のうち、第4条第1項第1号から第6号まで及び第8号に定める監査に係るものについては、速やかに公表しなければならない。

(措置状況の報告等)

第23条 監査委員は、監査等の指摘事項について、議会又は市長等から適時措置状況の報告を求めなければならない。

2 監査委員は、第4条第1項第1号第2号第5号及び第6号に係る議会又は市長等からの措置状況の報告は、これを公表しなければならない。

3 監査委員は、第4条第1項第8号の住民監査請求に係る勧告に基づき、議会又は市長等から必要な措置を講じた旨通知があったときは、これを請求人に通知し、かつ、公表しなければならない。

(その他)

第24条 この告示に定めるもののほか、監査等の実施に関し必要な事項は、監査委員が別に定める。

この告示は、令和2年4月1日から施行する。

(令和5年監委告示第1号)

(施行期日)

1 この告示は、令和5年4月1日から施行する。

坂東市監査基準

令和2年3月26日 監査委員告示第2号

(令和5年4月1日施行)