○坂東市農業次世代人材投資資金経営開始型補助金交付要綱
令和2年5月29日
告示第110号
坂東市農業次世代人材投資資金経営開始型補助金交付要綱(平成29年坂東市告示第81号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この告示は、農業人材力強化総合支援事業実施要綱(平成24年4月6日付け23経営第3543号農林水産事務次官依命通知。以下「国実施要綱」という。)の趣旨に基づき、経営の不安定な就農初期段階の青年就農者に対して農業次世代人材投資資金(以下「資金」という。)を交付することに関し、坂東市補助金等交付規則(平成17年坂東市規則第25号。以下「規則」という。)に定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。
(交付対象者)
第2条 この告示により資金の交付を受けることができる者(以下「交付対象者」という。)は、次の要件のいずれにも該当する者とする。
(1) 独立又は自営就農時の年齢が原則50歳未満であり、農業経営者となることについての強い意欲を有していること。
ア 農地の所有権又は利用権(農地法(昭和27年法律第229号)第3条第1項の規定により農業委員会の許可を受けたもの、同条第1項各号に該当するもの、農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号。以下「基盤強化法」という。)第19条に基づく公告があったもの、農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)第18条に基づく公告があったもの、都市農地の貸借の円滑化に関する法律(平成30年法律第68号)第4条の規定による認定を受けたもの及び特定作業受委託契約を締結したものをいう。)を交付対象者が有していること。
イ 主要な農業機械及び施設を交付対象者が所有し、又は借りていること。
ウ 交付対象者の名義で生産物、生産資材等の出荷及び取引をすること。
エ 交付対象者の農産物等の売上げ、経費の支出等の経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。
オ 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。
(3) 基盤強化法第14条の4第1項に規定する青年等就農計画(以下「青年等就農計画」という。)の認定を受けた者であること。ただし、交付期間中に、同法第14条の5第2項の規定による認定の取消しを受けた場合及び同条第3項の規定による認定の効力を失った場合を除く。
(4) 農業経営の全部又は一部を継承する場合にあっては、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始し、かつ、交付期間中に、新規作目の導入、経営の多角化等経営発展に向けた取組を行い、新規参入者(土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した者をいう。)と同等の経営リスクを負って経営を開始する青年等就農計画等であると市長が認めること。ただし、一戸一法人(原則として世帯員のみで構成される法人をいう。)以外の農業法人を継承する場合を除く。
(5) 第5条の規定による青年等就農計画等が次に掲げる基準のいずれにも適合していること。
ア 農業経営を開始して5年後までに農業(農業生産のほか、農産物加工、直接販売、農家レストラン、農家民宿等の関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。
イ 当該計画の達成が実現可能であると見込まれること。
(6) 本市が定める人・農地プラン(人・農地プランの具体的な進め方について(令和元年6月26日付け元経営第494号経営局長通知)2の(1)の実質化された人・農地プランをいう。以下同じ。)に中心となる経営体として位置付けられていること、若しくは位置付けられることが確実と見込まれること、又は農地中間管理機構から農地を借り受けていること(以下「人・農地プランに位置付けられた者等」という。)。
(7) 次に掲げる要件のいずれにも適合していること。
ア 原則として、生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付等を受けていないこと。
イ 国実施要綱別記2の農の雇用事業による助成金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
ウ 経営継承・発展等支援事業実施要綱(令和3年3月26日付け2経営第2988号農林水産事務次官依命通知)別記1の経営継承・発展支援事業による補助金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
(8) 園芸施設共済の引受対象となる施設を所有する場合は、当該施設について、気象災害等による被災に備えて、園芸施設共済、民間事業者が提供する保険又は施工業者による保証等に加入している、又は加入することが確実と見込まれること。
(9) 前年の世帯全体の所得が600万円以下(被災による資金の交付休止期間中の所得を除く。以下同じ。)であること。ただし、600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると市長が認める場合に限り、申請を可能とする。
(10) 就農する地域における将来の農業の担い手として、地域コミュニティへの積極的な参加に努め、地域の農業の維持・発展に向けた活動に協力する意思があること。
(11) 新たに農業経営を開始する者又は農業経営を開始した日の属する年度が資金の交付を申請する年度から起算して5年度以内の者。ただし、経営開始4年目以降の者が青年等就農計画等の承認を申請する場合は、第15条に規定する中間評価において、経営開始3年目の評価がA評価の者であること。
(資金の交付額)
第3条 資金の交付額は、経営開始1年目から経営開始3年目までは交付期間1年につき1人当たり150万円とし、経営開始4年目以降においては交付期間1年につき1人当たり120万円とする。
(1) 家族経営協定を締結しており、当該夫婦が共同経営者であることが当該協定に規定されていること。
(2) 主要な経営資産を夫婦で共に所有し、又は借りていること。
(3) 夫婦共に人・農地プランに位置付けられた者等となること。
3 市長は、前項の規定による審査に当たっては、必要に応じて面接等を行うことができる。
(資金の交付申請)
第8条 交付適格者は、農業次世代人材投資資金交付申請書(様式第5号)により市長に資金の交付を申請しなければならない。
2 前項の規定による申請は、半年ごとに行うことを基本とし、申請する資金の対象期間の最初の日から1年以内に行われなければならない。ただし、市長が特別の事情があると認めるときは、1年分の資金の交付を申請することができる。
(サポート体制)
第11条 市長は、資金交付対象者の「経営及び技術」、「営農資金」及び「農地」の各課題に対応できるよう、関係機関で構成するサポート体制を構築するため、坂東市農業次世代人材投資資金経営開始型補助金サポートチーム(以下「サポートチーム」という。)を設置する。
2 前項のサポートチームは、次に掲げる機関及び団体の職員等をもって構成する。
(1) 岩井農業協同組合
(2) 茨城むつみ農業協同組合
(3) 坂東地域農業改良普及センター
(4) 市職員
(5) その他市長が必要と認める者
3 市長は、資金交付対象者に対して、新規就農者の農業経営、地域生活の諸課題に対して適切な助言及び指導が可能な農業者をサポートチームに参画させ、必要に応じて助言及び指導を行わなければならない。
4 サポートチームは、交付対象者が早期に経営を安定・発展させ、地域に定着するため、次に掲げる活動を行うものとする。
(1) 青年等就農計画等の確認、助言及び指導
(2) 第12条に規定する就農状況報告の確認、助言及び指導
(3) 交付対象者の経営状況の把握
(4) 第15条に規定する中間評価を行う評価会の実施
(5) 第15条に規定する中間評価の結果において、重点指導が必要であると判断された交付対象者に対する指導の実施
3 資金交付対象者は、資金の交付期間内及び交付期間終了後5年間に氏名、住所、電話番号等を変更した場合は、変更後1月以内に住所等変更届(様式第11号)を市長に提出しなければならない。
2 市長は、資金交付対象者から交付終了後の就農継続期間中に就農中断届の提出があり、その内容がやむを得ないと認められる場合、就農の中断を承認するものとする。この場合において、市長は、就農中断届の提出のあった資金交付対象者の就農再開に向けた取組状況を適宜確認し、就農再開に向けたフォローアップを行うものとする。
(就農状況報告の確認等)
第14条 市長は、第12条第1項の規定により就農状況報告を受けた場合は、サポートチームと協力し、交付期間中及び交付期間終了後5年間において、資金交付対象者が「農業次世代人材投資資金の交付対象者の考え方について」(平成31年4月1日付け30経営第3030号就農・女性課長通知。以下「交付対象者の考え方」という。)を満たしているかどうか実施状況を確認し、改善の必要があると認めるときは、適切な助言及び指導を行うものとする。
3 市長は、前項の確認に加え、サポートチームと協力し、交付対象者の経営状況の把握に努めることとし、交付期間中、必ず年1回は、以下の方法によりチェックリストを用いて、交付対象者の経営状況と課題を交付対象者とともに確認し、青年等就農計画の達成に向けて経営改善等が必要な場合は、適切な助言及び指導を行うものとする。
(1) 交付対象者への面談
ア 営農に対する取組状況
イ 栽培・経営管理状況
ウ 青年等数農計画等達成に向けた取組状況
エ 労働環境等に対する取組状況
(2) ほ場確認
ア 耕作すべき農地が遊休化されていないか
イ 農作物を適切に生産しているか
(3) 書類確認
ア 作業日誌
イ 帳簿
ウ 農地の権利設定の状況が確認できる書類(農地基本台帳、農地法第3条の許可を受けた使用貸借、賃貸借若しくは売買契約書、公告のあった農用地利用集積計画若しくは農用地利用配分計画、特定作業受委委託契約書又は都市農地の貸借の円滑化に関する法律第4条第1項の規定に基づく事業計画のうち該当する箇所いずれかの書類の写し。以下同じ。)
4 市長は、事業の適切な実施及び効果を確認するため、必要と認める場合は、資金交付対象者に前条第1項の就農状況報告のほか、必要な事項の報告を求めることができる。
(資金交付対象者の中間評価)
第15条 市長は、資金の交付申請を行った者であって、3年間資金の交付を受けたものに対し、当該交付対象者の農業所得及び農業収入等の状況や経営の課題等を交付対象者及びサポートチームが中心に確認し、経営改善に役立てるとともに、青年等就農計画の達成に向けて指導が必要なものに対して重点的にサポートするため、中間評価を実施する。
3 中間評価の評価区分は、A評価(順調)、B評価(順調ではない)の2段階とし、評価会の評価結果を受け、市長が決定する。
4 前項の評価区分のうち、Aに該当する者は次のいずれかに該当する者とする。
(1) 設備投資等の経費がかさんだことが原因で経営開始3年目の農業所得が農業所得目標のおおむね2分の1を達成できていないが、経営開始3年目の農業収入が、様式第1号別添1の収支計画における経営開始5年目の農業収入目標(以下「農業収入目標」という。)のおおむね2分の1に達している者
(2) 災害による収量低下、市場価格の下落等、本人の責によらない原因により農業所得目標又は農業収入目標のおおむね2分の1を達成できていない者
5 市長は、第3項の評価結果に基づき、次に掲げる取扱いを行うものとする。
(1) A評価とされた者は、引き続き資金の交付を継続するものとし、そのうち希望する者については、審査を実施した上で第21条第1項の経営発展支援金を交付することができる。
(2) A評価とされた者のうち、農業所得目標の達成に向けて重点指導が必要であると評価会で判断された者については、サポートチームを中心とし、必要な指導を行うものとする。
(3) B評価とされた者については、資金の交付を停止する。
(資金の交付中止)
第16条 資金交付対象者は、資金の受給を中止する場合は、中止届(様式第15号)を市長に提出しなければならない。
(資金の交付休止等)
第17条 資金交付対象者は、病気等のやむを得ない理由により就農を休止する場合は、休止届(様式第16号)を市長に提出しなければならない。なお、休止期間は原則1年以内とする。
(資金の交付停止)
第18条 市長は、資金交付対象者が次の各号のいずれかに該当する場合は、資金の交付を停止する。
(1) 第2条に規定する要件を満たさなくなった場合
(2) 農業経営を中止した場合
(3) 農業経営を休止した場合
(4) 第12条第1項の就農状況報告を行わなかった場合
(5) 第15条の規定による就農の実施状況の確認等により、交付対象者の考え方を満たさず、次のいずれかに該当することが認められる場合
ア 青年等就農計画等の達成に必要な経営資産を縮小した場合
イ 耕作すべき農地を遊休化した場合
ウ 農作物を適切に生産していない場合
エ 農業従事日数が年間150日未満かつ年間1,200時間未満である場合
オ 第15条第1項の規定により市長から改善指導を受けたにもかかわらず、改善に向けた取組を行わない場合
カ 国及び市長が求める報告を行わない場合又は立入調査に協力しない場合
キ その他適切な農業経営を行っていないと市長が認めた場合
(6) 第15条の中間評価によりB評価と判断された場合
(7) 第21条の経営発展支援金の交付を受けた場合
(8) 前年の世帯全体の所得が600万円を超えた場合(その後、世帯全体の所得が600万円以下となった場合は、翌年から交付を再開することができる。)。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると市長が認める場合に限り、交付を可能とする。
(2) 虚偽の申請等を行った場合 資金の全額
(資金の返還免除)
第20条 資金交付対象者は、病気や災害等のやむを得ない事情により、資金の返還の免除を受けようとする場合は、返還免除申請書(様式第18号)を市長に提出しなければならない。
2 市長は、前項の規定による申請の内容が適当と認められる場合は、資金の返還を免除することができる。
(経営発展支援金事業)
第21条 市長は、新規就農者の経営発展に向けた取組を支援するため、第15条に規定する中間評価でA評価とされた者のうち、希望する者に経営発展支援金(以下「支援金」という。)を交付する。
2 支援金の交付を希望する者は、経営開始型の交付4年目の交付対象期間に経営発展支援金交付申請書(様式第19号。以下「支援金交付申請書」という。)を市長に申請しなければならない。
3 市長は、前項の規定による支援金交付申請があったときは、支援金交付申請書の内容を審査し、支援金交付対象者の更なる経営発展につながると認める場合は承認し、審査結果を支援金交付対象者に通知するとともに、支援金を交付する。
4 前項の承認を受けた交付対象者が、承認された内容を変更する場合は、変更した交付申請書を市長に提出する。
5 市長は、支援金交付申請書の変更申請があった場合は、第3項に準じて承認する。
6 支援金交付対象者は、承認された内容を実施し、事業完了後1月以内又は当該事業年度末日のいずれか早い日までに、経営発展支援金実績報告書(様式第20号。以下「支援金実績報告書」という。)を市長に提出し、承認を得なければならない。
7 市長は、前項の規定による提出があったときは、支援金実績報告書の内容を審査し、適当であると認める場合は承認し、支援金の精算を行うものとする。
8 支援金の交付額は、第3項の規定により承認された取組の実現に必要な額のうち他の助成措置等による助成額を除いた額(以下「対象経費」という。)とし、150万円以内の額とする。
9 支援金の対象経費は、第3項の規定により承認された取組に直接要する経費であり、かつ、書類によって使途及び金額が確認できるものに限る。
11 支援金の交付を受けた者は、当該支援金の交付後においては、資金の交付を受けることができない。
(個人情報の取扱い)
第22条 市長は、本事業の実施に際して得る個人情報については、個人情報の取扱い同意書(様式第21号)により本人の同意を得るものとする。
附則
1 この告示は、令和2年5月29日から施行し、令和2年1月1日から適用する。
2 この告示における資金の交付は、国実施要綱の廃止に伴い終了する。
附則(令和3年告示第203号)
1 この告示は、令和3年9月17日から施行し、令和3年4月1日から適用する。
2 坂東市農業次世代人材投資資金経営開始型補助金サポートチーム設置要綱(令和2年坂東市告示第111号)は、廃止する。
3 この告示による改正後の坂東市農業次世代人材投資資金経営開始型補助金交付要綱第2条、第3条、第15条、第18条、第19条及び第21条の規定は、令和3年度以後において交付初年度となる交付対象者について適用し、令和2年度以前において交付初年度となった交付対象者については、なお従前の例による。
附則(令和4年告示第72号)
1 この告示は、令和4年4月1日から施行する。
2 この告示の施行の際、改正前の告示に規定する様式による用紙で、現に残存するものは、当分の間、所要の修正を加え、なお使用することができる。
附則(令和5年告示第70号)
この告示は、令和5年4月1日から施行する。
様式第8号 削除