○坂東市成年後見制度利用支援事業実施要綱

令和3年12月8日

告示第236号

坂東市成年後見制度利用支援事業実施要綱(平成20年坂東市告示第64号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この告示は、判断能力が十分でない認知症等の高齢者、知的障害者及び精神障害者(以下「要支援者」という。)に対して、成年後見制度利用の支援を行うことにより、要支援者がその有する能力を活用し、自らが希望する自立した日常生活を営むことができる環境の整備に資することを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 後見開始等審判 次に掲げる審判をいう。

 後見開始の審判(民法(明治29年法律第89号)第7条)

 保佐開始の審判(民法第11条)

 保佐人の同意権の範囲を拡張する審判(民法第13条第2項)

 補助開始の審判(民法第15条第1項)

 補助人に同意権を付与する審判(民法第17条第1項)

 保佐人に代理権を付与する審判(民法第876条の4第1項)

 補助人に代理権を付与する審判(民法第876条の9第1項)

(2) 市長申立て 次の規定に基づき、市長が行う後見開始等審判の申立てをいう。

 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第32条

 知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条

 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2

(3) 後見人等 成年後見人、保佐人又は補助人をいう。

(4) 親族等 配偶者及び2親等以内の親族をいう。

(5) 被後見人等 後見人等が選任された要支援者をいう。

(支援の種類)

第3条 要支援者に対して市が行う支援の種類は、次に掲げるとおりとする。

(1) 市長申立てに関する支援

(2) 後見開始等審判の申立てに係る収入印紙代、郵便切手代、診断書料、鑑定料等に関する支援(以下「申立費用に関する支援」という。)

(3) 後見人等の業務に対する報酬等に関する支援(以下「報酬等に関する支援」という。)

(市長申立てに関する支援の対象者)

第4条 前条第1号に規定する市長申立てに関する支援を受けることができる者の要件は、市内に住所を有する者(住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)に基づく本市の住民基本台帳に記録されている者をいう。以下同じ。)のうち、次の各号のいずれかに該当するものであって、かつ、市長が要支援者を保護するために市長申立てを行うことが必要と認める場合とする。

(1) 親族等がいない者

(2) 親族等があっても、音信不通の状況等にある者

(3) 親族等があっても、親族等が後見開始等審判の申立てを拒否している者

(4) 親族等があっても、虐待、財産の侵害等の事実がある者

2 前項の規定にかかわらず、市外の社会福祉施設等に入所するために転出し、現に当該社会福祉施設等に入所している者及び市長がこれに類すると認める者(以下「住所地特例者」という。)は、市内に住所を有する者とみなし、市長申立てに関する支援の対象とすることができる。

3 前2項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、市長申立てに関する支援の対象としない。

(1) 市外から市内の社会福祉施設等に入所した要支援者で、入所前の住所地において、本市における市長申立てに関する支援と同様の支援の対象となる場合

(2) 3親等又は4親等の親族がいる要支援者で、当該親族において後見開始等審判の申立てをすることが明らかである場合

(市長申立ての要請)

第5条 要支援者について、後見人等を必要とする状態にあると判断し、市長申立てに関する支援を市長に要請することができる者は、次に掲げるものとする。

(1) 民生委員

(2) 要支援者の日常生活の援助者(配偶者及び4親等以内の親族を除く。)

(3) 社会福祉法(昭和26年法律第45号)に規定する社会福祉事業に従事する職員及び同法第15条に規定する所員

(4) 介護保険法(平成9年法律第123号)第8条及び第8条の2に規定する事業に従事する職員並びに同法第115条の46第3項の規定により設置される地域包括支援センターの職員

(5) 地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項に規定する保健所の職員

(6) 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に規定する病院及び診療所の職員

2 前項に規定する市長申立てに関する支援の要請は、市長申立てに関する支援要請書(様式第1号)により行うものとする。

(調査及び決定)

第6条 市長は、前条による要請があったときその他必要と認めるときは、次に掲げる事項の調査を行い、市長申立ての適否及び後見開始等審判の種類を決定するものとする。

(1) 事理を弁識する能力

(2) 生活状況及び健康状態

(3) 親族等の存否

(4) 要支援者又は親族等が審判請求を行う見込み

(5) 関係機関の各種施策による要支援者への支援が必要な状況

(6) その他勘案すべき事項

(要請者への回答)

第7条 市長は、第5条第2項の規定による要請を受けた場合において、対応の方法を決定したときは、市長申立てに関する支援要請について(回答)(様式第2号)により、当該要請をした者に回答するものとする。

(市長申立てに要する費用の負担)

第8条 市長は、家事事件手続法(平成23年法律第52号)第28条第1項の規定に基づき、市長申立てに要する費用(収入印紙代、郵便切手代、診断書料、鑑定料等)を負担するものとする。

2 市長は、前項により負担した費用について、被後見人等が費用の全部又は一部を負担すべきであると認めるときは、家事事件手続法第28条第2項の規定により、管轄する家庭裁判所に上申するものとする。

3 市長は、家庭裁判所が被後見人等による費用の負担を決定したときは、後見人等を通じ、被後見人等に当該費用を請求するものとする。

4 前2項の規定にかかわらず、被後見人等が次の各号のいずれかに該当するときは、市長は第2項の上申又は前項の請求を行わないことができる。

(1) 生活保護法(昭和25年法律第144号)に規定する被保護者(以下「生活保護受給者」という。)

(2) 市町村民税非課税者(預貯金の額が50万円以上の者を除く。)

(3) その他市長申立てに要する費用を負担することが困難であると認められる者

(申立費用に関する支援の対象者)

第9条 第3条第2号に規定する申立費用に関する支援を受けることができる者は、被後見人等、配偶者又は4親等以内の親族のうち、被後見人等の後見開始等審判の申立てを行った者(以下「申立人」という。)であって、次の各号に掲げる場合において、第11条に規定する交付申請を行った日に、それぞれ当該各号に定める要件に該当するものとする。

(1) 申立人が被後見人等の場合 生活保護受給者、市町村民税非課税世帯に属する者その他の理由により申立費用を負担することが困難であると認められる者

(2) 申立人が配偶者又は4親等以内の親族の場合 生活保護受給者、市町村民税非課税の者その他の理由により申立費用を負担することが困難であると認められる者であって、かつ、被後見人等が前号の要件に該当する者

2 前項における被後見人等は、市内に住所を有する者又は第4条第2項に規定する住所地特例者の要件を満たす者であること。

3 前2項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、申立費用に関する支援の対象としない。

(1) 市外から市内の社会福祉施設等に入所した被後見人等で、入所前の住所地において、本市における申立費用に関する支援と同様の支援の対象となる場合

(2) 申立人が被後見人等の場合であって、その世帯の預貯金の総額を世帯員数で除して得た金額が50万円以上であるとき。

(3) 申立人が配偶者又は4親等以内の親族の場合であって、その者の預貯金の額が50万円以上であるとき(配偶者又は4親等以内の親族が被後見人等と同一世帯であるときは、前号の規定を適用する。)

(申立費用の助成対象)

第10条 申立費用の助成対象は、次に掲げる費用とする。

(1) 収入印紙代

(2) 郵便切手代(家庭裁判所予納分に限る。)

(3) 診断書料

(4) 鑑定料

(5) 戸籍謄本その他後見開始等審判の申立てに必要な添付書類の交付手数料及び証明手数料

(申立費用の助成金交付申請等)

第11条 申立費用の助成を受けようとする申立人は、成年後見制度利用支援事業助成金(申立費用)交付申請書(様式第3号)を後見開始等審判の確定日から3月以内又は後見開始等審判の確定日の属する年度の3月31日のうち、いずれか早い日までに市長に提出しなければならない。

2 前項の申請書には、次の書類を添付しなければならない。

(1) 後見開始等審判の審判書謄本の写し

(2) 審判が確定したことの分かる書類

(3) 申立費用が分かる領収書

(4) 後見人等が家庭裁判所に初回報告で提出した財産目録の写し

(5) 第9条に規定する要件に該当することが確認できる書類

(6) その他確認を要する事項に関する書類

(報酬等に関する支援の対象者)

第12条 第3条第3号に規定する報酬等に関する支援を受けることができる者は、第14条に規定する交付申請を行った日において、次の各号のいずれかに該当する被後見人等とする。

(1) 生活保護受給者

(2) 市町村民税非課税世帯に属する者

(3) その他の理由により報酬等を負担することが困難であると認められる者

2 前項における被後見人等は、市内に住所を有する者又は第4条第2項に規定する住所地特例者の要件を満たす者であること。

3 前2項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、報酬等に関する支援の対象としない。

(1) 市外から市内の社会福祉施設等に入所した被後見人等で、入所前の住所地において、本市における報酬等に関する支援と同様の支援の対象となる場合

(2) 被後見人等の世帯の預貯金の総額を世帯員数で除して得た金額が50万円以上である場合

(報酬等の助成対象期間及び助成金額)

第13条 報酬等の助成対象期間(以下「助成対象期間」という。)は、家庭裁判所が決定した報酬付与の対象期間のうち、直近の24月以内とする。

2 報酬の助成金額は、月を単位として算出するものとし、家庭裁判所が決定した報酬額の範囲内とする。ただし、次に掲げる額を上限とする。

(1) 居宅の場合 月額28,000円

(2) 施設入所等の場合 月額18,000円

3 前項に規定する助成金額の上限の算定に当たり、助成対象期間の始期又は終期が月の途中である場合は、当該月は日割計算(1円未満の端数は切り捨てる。)により算出するものとし、助成対象期間に居宅と施設入所等の期間が混在する月があるときは、居宅の基準月額を適用するものとする。

4 被後見人等が次条による交付申請の前に死亡した場合の報酬の助成金額は、家庭裁判所が決定した報酬額から被後見人等の遺留財産(残余の遺留金をいう。)を差し引いてもなお不足する金額とする。ただし、前3項により算出した額を上限とする。

(報酬等の助成金交付申請等)

第14条 報酬等の助成を受けようとする被後見人等は、成年後見制度利用支援事業助成金(報酬等)交付申請書(様式第4号)を報酬付与の審判日から3月以内又は報酬付与の審判日の属する年度の3月31日のうち、いずれか早い日までに市長に提出しなければならない。

2 前項の規定による交付申請前に被後見人等が死亡した場合は、当該被後見人等の後見人等が前項による申請を行うことができるものとする。

3 第1項の申請書には、次の書類を添付しなければならない。

(1) 後見開始等に関する登記事項証明書

(2) 報酬付与の審判書謄本の写し

(3) 後見人等が報酬付与の申立て時に家庭裁判所に提出した財産目録の写し

(4) 第12条に規定する要件に該当することが確認できる書類

(5) その他確認を要する事項に関する書類

(助成金の交付又は却下の決定)

第15条 市長は、第11条又は前条に規定する助成金の交付申請があったときは、関係書類を審査し、速やかに助成の適否を決定し、成年後見制度利用支援事業助成金交付決定(却下)通知書(様式第5号)により、第11条又は前条に規定する助成金の交付申請を行った者(以下「申請者」という。)に通知するものとする。

(助成金の交付)

第16条 市長は、前条の規定により交付の決定をした助成金については、申請者が指定した被後見人等の金融機関の口座に直接振り込むものとする。

(届出の義務)

第17条 申請者は、次の各号のいずれかに該当するときには、速やかに成年後見制度利用支援事業助成資格等変更・喪失届(様式第6号)を市長に提出しなければならない。

(1) 申請時の住所又は氏名を変更したとき。

(2) 被後見人等(配偶者又は4親等以内の親族が申立てを行った場合は、当該親族を含む。)の資産の状況及び生活状況に変更があったとき。

(助成金の中止)

第18条 第11条又は第14条の申請において、申請者がそれぞれ第9条又は第12条の規定に該当しなくなった場合は、助成金の受給資格は消滅する。

2 市長は、前項の規定により助成金の中止を決定したときは、成年後見制度利用支援事業助成中止通知書(様式第7号)により申請者に通知しなければならない。

(助成金の返還)

第19条 市長は、申請者が虚偽の申請により助成金の交付を受けたときは、既に交付した助成金の全部又は一部を返還させることができる。

(実施体制)

第20条 事業の実施に当たっては、判断能力が十分でない認知症等の高齢者については保健福祉部介護福祉課が、知的障害者及び精神障害者については保健福祉部社会福祉課が、それぞれ必要な業務を行うものとする。

(その他)

第21条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

この告示は、令和4年4月1日から施行する。

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坂東市成年後見制度利用支援事業実施要綱

令和3年12月8日 告示第236号

(令和4年4月1日施行)