令和6年度 施政方針

令和6年3月6日
坂東市長 木村 敏文

 令和6年坂東市議会3月定例会議におきまして、令和6年度各会計予算案を始め、議案のご審議をお願いするに当たり、私の市政運営に対する所信の一端をご説明申し上げ、議員の皆様及び市民の皆様のご理解とご協力をお願いするものでございます。

1 はじめに 

 世界中を震撼させた新型コロナウイルス感染症は、国内では令和5年5月8日に「5類感染症」に変更され、各種対応が変更となりました。
 また、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した物価高騰や円安などの影響も重なり、国内経済や国民生活は益々厳しい状況となりました。
 政府は、コロナ禍を脱し、歳出構造を平時に戻し、緊急時の財政支出を必要以上に長期化・恒常化させないように取り組み、中長期の視点に立った持続可能な経済財政運営を進めるとしていますが、感染症や紛争などにより世界情勢が大きく変化しており、本市を取り巻く社会環境や地域経済市民生活にも相当な影響が続いていくことが想定されます。
 この状況を踏まえつつ、できる限り次世代への負担軽減を図るよう、令和6年度の予算編成に取り組んだところですが、本市の財政状況については、岩井市・猿島町が合併し「坂東市」となった平成17年3月末、市の借金である一般会計地方債残高は約161億円でしたが、合併関連事業により緩やかに増えていきました。その後、24年度から大規模建設事業や広範囲な事業展開により、28年度まで地方債残高が急増し、私が市長に就任した29年4月時点で、着手事業の継続性により約320億円、その翌年度末には326億円で、過去最高額の地方債残高となる状況でした。
 就任直後から、「未来に負担を残さない財政運営」を柱の一つとして、財政再建を優先しつつ、事業の選択と集中により政策を進めてまいりました。結果的に令和5年度末に地方債残高は、ピーク時から6年で約63億円の削減となる見込みですが、令和4年度末の地方債現在高比率は200.3%と依然として高い水準となっており、県内44自治体中39位と低位であります。
 少子高齢化に伴い、今後も社会保障費が伸びていくことが予想されますが、老朽化する公共施設、インフラ等の維持保全については市民生活に欠かせないものであり、適切に対応していかなければなりません。今後もインフラ整備を通して、市民サービスの向上につなげるほか、燃料、物価高騰にも対応するべく、事業や施設の見直し、適正化に取り組み、市民の負担を増やさずに市民サービスの向上に努める必要があります。
 一方、感染症に緊急対応しながらも、多額の費用が投じられた坂東インター工業団地の分譲は成功させなければならず、最優先課題の一つとして取り組み、お蔭様で完売することができました。
 さらに、企業立地需要が旺盛なこの機会を逃さぬよう、また、人口減少社会に向けた雇用インフラ整備として、茨城県に約200億円を投じていただける「フロンティアパーク坂東」工業団地事業を誘致できたことは非常に大きいと感じております。これは、本市の将来を見据えた中長期的な歳入増加策で、また、大規模な就労の場を確保することで人口減少対策にもつながり、できるだけ次世代への負担軽減を図った、本市の大きな財産になるものだと考えております。

2 令和6年度予算規模について

 さて、令和6年度の予算編成にあたりまして、歳入におきましては、その大部分を占める市税収入については、坂東インター工業団地での固定資産税等の増加はあるものの、人口減少の影響やロシアによるウクライナ侵略の長期化、世界的な金融引き締め等が続く中、経済状況は依然として不透明で大幅な増収は見込めないため、引き続き、地方交付税や市債などに依存せざるを得ず、自律的な財政運営が困難になると見込まれます。
 歳出におきましては、公債費について、支払いの上限の時期は過ぎましたが、依然として高い水準となっております。また、社会保障関連経費の伸びや物価高騰の影響がある中においても、老朽化する公共施設・インフラ等の維持保全には、適正に対応していかなければならず、歳出の増加が避けられない状況であります。
 このような厳しい財政状況の中、危機感を改めて認識し、事業効果や手法等を再点検し、状況に応じた的確な事業の選択に努め、市民生活における安全安心の確保、子育て支援や教育、医療、福祉の充実を図るため、スクラップアンドビルドを基本に必要とされる施策を第一に考えて予算編成に臨んだところでございます。
 さて、令和6年度の一般会計の予算規模は222億9,000万円で、対前年度比3億3,000万円、1.5パーセントの増としたものでございます。 
 また、特別会計の合計は106億3,329万円で対前年度比2.3パーセントの減、水道事業会計は18億2,210万7,000円で対前年度比5.8パーセントの増、下水道事業会計は23億2,593万7,000円で対前年度比15.6パーセントの増となり、全会計の総額は370億7,133万4,000円で、対前年度比1.4パーセントの増としたものでございます。
 また、令和6年度中には、坂東市が誕生して20周年を迎えますことから、この20年という節目を全市民で祝うとともに坂東市の明るい未来を展望し更なる飛躍の契機とするため、来年度1年間を通して様々な記念事業を展開してまいりたいとも考えているところでございます。

3 施策の概要について

 次に、主な施策につきましてご説明申し上げます。

はじめに、「ひとづくり」分野でございます。

 結婚支援につきましては、出会いの場の創出や結婚相談事業を実施するとともに、併せて、結婚後の経済的な負担軽減を図るため、結婚新生活支援事業などを実施してまいります。
 子育て支援につきましては、保護者の就労形態及びニーズの多様化に対応し、子どもたちの安全安心を第一にした保育サービスの向上に努めるとともに、放課後児童クラブにつきましても、計画的な施設整備や運営形態の見直しにより、保育の質の向上を図ってまいります。また、各種手当に加え、市独自の新生児応援給付金制度により、子育て世帯を支援していくとともに、引き続き、多子世帯の保育料や給食費の軽減、ひとり親非課税世帯の放課後児童クラブ保護者負担金の減免も実施してまいります。
 学校教育につきましては、岩井第一小学校体育館の改築工事の早期完了を目指すほか、同じく老朽化が進む弓馬田小学校体育館につきましても、大規模改造事業に着手し、教育環境の改善を進めてまいります。また、経済的理由により就学が困難な児童・生徒の保護者に対する就学援助制度や、令和3年度から新設した特別支援教育就学奨励費制度を引き続き実施し、保護者の経済的な負担軽減を図り、特別支援教育の充実を推進してまいります。
 学校給食につきましては、今年度に引き続き、給食費の半額を助成し、今後も懸念される物価高騰に対し、保護者の負担軽減を図ってまいります。
 不登校児童生徒への支援につきましては、教育支援センターを岩井地域と猿島地域の2か所に設置し、不登校児童生徒一人一人に寄り添った学習支援及び教育相談の充実等を図り、学校生活への復帰や自立に向けた取組を行ってまいります。
 英語教育につきましては、特別の教育課程により小学校1年生から中学校3年生までの9年間、切れ目のない指導を行っていくことで、コミュニケーション能力を高め、グローバル社会で活躍できる人財を育成してまいります。
 市内唯一の高等学校である坂東清風高等学校につきましては、資格取得という目的意識を持って授業に取り組むことで、高校生活の充実が図られ、魅力ある坂東清風高校へと繋がるよう、引き続き支援を進めてまいります。
 生涯学習につきましては、多様な学習内容や学習機会を提供できるよう、公民館講座などの各種講座の充実と、生涯にわたり学び続けることができる環境を整えるとともに、各地区の分館活動への支援を通して、地域コミュニティの活性化を推進してまいります。
 また、令和5年度から、市内すべての小学校において学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティ・スクールを導入し、学校と地域住民などが知恵を出し合い、力を合わせて地域ぐるみで子どもたちを育てる仕組みをスタートさせましたが、令和6年度には、市内すべての中学校と猿島幼稚園にもコミュニティ・スクールを拡充し、すべての学校が「地域とともにある学校」となることを目指し、この取り組みを推進してまいります。
 また、教育部局と福祉部局との連携強化を図りながら、不登校児童生徒を抱え養育環境を維持することが難しい家庭に対しては、家庭の教育力向上と、学校に復帰することを目標とした、訪問型家庭教育支援事業を推進してまいります。
 青少年の健全な育成につきましては、地域や関係団体との連携・協働により、放課後等の安全安心な子ども達の居場所づくりや、様々な体験活動、学習活動を通して、「未来を担う子ども達が心豊かにたくましく」成長できる環境づくりに取り組んでまいります。
 スポーツ振興につきましては、市民の皆様の運動量の低下、生活習慣病や生活機能の低下を防ぐため、スポーツ環境の充実を図るとともに、体育施設長寿命化計画を踏まえ、老朽化した施設を計画的に改修してまいります。
 また、生涯スポーツの振興を図るため、「将門ハーフマラソン大会」をはじめとする各種スポーツイベントを予定しておりますが、来年度につきましては、合併20周年の記念事業として、内容充実を図り取り組んでまいります。
 文化振興につきましては、図書館では読み聞かせなど読書に親しむ各種事業の推進を図り、資料館では貴重な歴史資料の調査研究を進めるとともに郷土の歴史や文化、芸術等の展示を通して郷土理解と文化意識の高揚を図ってまいります。
 また、市民音楽ホールでは、市民の皆様が安全安心に来館できる環境を整えるとともに、合併20周年と開館30周年を記念したコンサートや市民のニーズに合ったコンサート、好評を得ておりますホールが所有する3台のピアノを活用した試弾会等を積極的に開催し、音楽文化の向上を図ってまいります。
 歴史的遺産である文化財の保護と活用につきましては、ふるさと坂東への誇りや愛着を深めるために、適切な保護・保存による歴史の継承と、観光資源としての魅力度の向上に取り組んでまいります。

続いて、「暮らしづくり」分野でございます。

 地域福祉につきましては、「坂東市地域福祉計画」及び「自殺対策推進計画」に基づき、保健・福祉・医療の連携の下、関係機関や団体、市民の皆様のご協力をいただきながら「安心して心豊かに暮らせるまち」を目指してまいります。
 また、今年度を始期とする「第7期障害福祉計画」及び「第3期障害児福祉計画」により、障がいのある人が自立した生活を送ることができるよう、障害福祉サービスや相談業務の充実に努め、就労機会の拡大を図るとともに、保護者、学校及び事業所と連携しながら、児童発達支援事業や放課後等デイサービス事業を実施してまいります。
 生活困窮者対策といたしましては、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度を一体的に運用することにより、生活困窮者が少しでも早く自立した生活を送ることができるよう、支援を強化してまいります。
 高齢者福祉及び介護保険事業につきましては、「第9期高齢者福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、地域包括ケアシステムの一層の充実を図り、一人一人が生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らしていくことのできる地域共生社会の実現に向けた取組を推進してまいります。
 健康づくり対策につきましては、「第2次ばんどう健康プラン21」に基づき、ライフステージごとに市民一人一人が主体的に健康で心豊かに暮らしていけるよう各保健事業を通し、健康づくりを推進してまいります。
 成人保健事業では、健康診査等を実施し、生活習慣病の発症や重症化を予防するとともに健康寿命の延伸を図ってまいります。
 母子保健事業では、妊婦・子育て世帯が安心して出産・子育てができるよう一貫した相談支援の充実を図ります。
 また、子育てに係る経済的支援として、出産・子育て応援給付金を支給いたします。
 さらに、子どもの健やかな心身の成長を促すとともに、養育者の育児不安の軽減を図るため、関係機関と連携を強化し、切れ目のない支援を行ってまいります。
 国民健康保険事業につきましては、県との連携により、広域化による事務の効率化を進めるとともに、適正な保険税の賦課、徴収により、国民健康保険財政の一層の健全化を図ってまいります。
 高齢者の保健事業につきましては、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業として、医療、保健、介護情報等を活用した、よりきめ細やかな支援を実施し、生活習慣病等重症化予防及びフレイル予防等に取組んでまいります。
 医療費助成制度につきましては、引き続き子育て支援サービス充実の観点から、高校生までの全ての方を対象として支援してまいります。
 市民協働のまちづくりにつきましては、市民の皆様が自主的に取り組む地域活性化事業などを支援し、市民の皆様が主体となったまちづくりの実現を目指してまいります。
 男女共同参画につきましては、「第4次ばんどう男女共同参画計画」に基づき、あらゆる分野への参画を推進するとともに、女性人材バンクの活用により、審議会などへの女性登用を促進してまいります。
 広聴広報につきましては、市政などに関する情報を皆様に提供するだけでなく、迅速かつ正確にお伝えするために、広報紙をはじめとしてホームページや情報メール、LINE(ライン)、Facebook(フェイスブック)等のSNSも有効活用し、効果的な発信に努めてまいります。
 行財政につきましては、多様な市民ニーズへの対応や行政サービスの利便性を高められるよう、人材育成や効率的な行政運営に努めてまいります。また、効果的な財政投資と財政運営の健全化を図るため、新たに導入したネーミングライツ事業など、民間資本等の活用や未利用市有地の有効活用や売却、先端技術を活用した行政のデジタル化等に取り組んでまいります。
 ふるさと納税につきましては、関係各位のご協力の下、返礼品数を大幅に拡大し、寄附額も着実に増加させることができました。来年度は、更なる寄附額増加を目指し、PRにも積極的に取り組んでまいります。また、企業版ふるさと納税につきましても、ご縁のある市外企業に対して積極的にPRするなどして、寄附額の増加を目指してまいります。
 新庁舎の開設以来の懸案となっておりました猿島庁舎の利活用につきましては、庁内における横断的な検討を重ねた結果、建物の大部分は耐震性が無く安全性に問題があること、老朽化により雨漏りやトイレ及び空調設備に不具合が生じていることなど、機能面でも利用者に不便な状態であるため、旧庁舎は解体し、猿島地域の拠点となる窓口センター機能は維持・強化していく方針といたしましたので、来年度は、解体工事に着手するとともに、周辺に点在するその他の公共施設を含めた旧庁舎周辺公共施設の整理と再整備に向けた事業計画を定めてまいります。

続いて、「都市づくり」分野でございます。 

 防災・減災対策につきましては、近年、激甚化・頻発化する災害への対応や避難所の感染症対策などの課題を踏まえ、避難対策の強化を図るとともに、情報伝達手段として、防災ラジオ、情報メールなどの更なる普及や効率的運用を図ってまいります。
 また、市民の生命、身体及び財産を守るため、火災や災害現場で活動する消防団につきましては、施設や装備の充実を図り、消防団活動の円滑化及び担い手の確保に取り組んでまいります。
 交通安全対策につきましては、警察や交通関係団体等と連携しながら、交通事故防止、飲酒運転撲滅に取り組むとともに、道路の危険箇所把握に努め、交通安全施設を適宜整備してまいります。
 また、高齢者による交通事故の減少を図るため、運転免許証を自主返納した65歳以上の方に対し、市内の公共交通機関等で利用できる公共交通利用券を交付する高齢者運転免許証自主返納等支援事業を推進してまいります。
 防犯対策につきましては、警察や防犯協会、防犯ボランティア団体と連携しながら、防犯活動を推進するとともに、防犯灯や防犯カメラを計画的に増設して犯罪の未然防止を図ってまいります。
 公共交通につきましては、デマンドタクシー、コミュニティバスに加え、守谷駅行きの直行型路線バスの運行を実施しておりますが、少子高齢化や工業団地内への企業進出、運送業界の2024年問題による運転手不足等が課題となっており、多様化する公共交通需要に対応するため、市内の公共交通ネットワークの大幅な見直しが急務となっております。委託事業者や市内の交通事業者等のご意見、ご協力を賜りながら、持続可能な公共交通網の最適化に取り組んでまいります。
 東京直結鉄道地下鉄8号線の誘致につきましては、国土交通大臣への要望時に、「操車場は、利根川を越えて、災害の少ない坂東市で」と茨城延伸を強く要望しているところでございます。引き続き、関係自治体や商工会等の関係団体と連携しながら誘致活動に取り組んでまいります。
 都市計画につきましては、「坂東市都市計画マスタープラン」に基づき、首都圏中央連絡自動車道などを活かした産業地開発や、定住促進、良好な自然地や農地などの保全を図りながら、新たに坂東インター周辺地区において、有効な土地利用を促進してまいります。
 地籍調査事業につきましては、令和6年度からは、新たに神大実地区の事業に着手いたします。引き続き、国の補助制度を積極的に活用しながら、令和30年度完了を目指してまいります。
 生活道路の整備につきましては、緊急性などを考慮して優先的に整備すべき路線を整理した上で、地域の皆様のご意見をお伺いし、ご協力をいただきながら、計画的に整備を進めてまいります。
 道路、橋りょう、都市公園の維持補修につきましては、安全性の確保及び財政負担の低減・平準化を図るため、各種計画に基づき、計画的に維持補修を実施してまいります。
 上水道事業につきましては、水道施設のきめ細やかな維持管理により長寿命化を図ってまいります。また、安全安心で安定的な水道水を供給するため、管路網を順次更新し、耐震化を図ってまいります。
 公共下水道事業につきましては、地方公営企業法の適用により経営状況を的確に把握し、経営基盤の強化に取り組んでおります。また、未整備区域における管渠(かんきょ)工事を実施するとともに、施設の長寿命化対策や耐震化対策による防災、減災を推進し、計画的かつ効率的な維持管理をしてまいります。
 農業集落排水事業につきましては、老朽化した施設や設備の更新を進めるとともに、維持管理組合と連携しながら、接続率の向上を図ってまいります。また、既に地方公営企業法を適用している公共下水道事業と令和6年度から適用される農業集落排水事業の2つの事業を統合しまして、新たな「下水道事業」として経営してまいります。
 自然環境の保全につきましては、無秩序な開発の抑制を図り、廃棄物や土砂等の不法投棄に対し、警察、県及び県内自治体と連携し、監視カメラや特別行政指導員などによる監視と指導を強化するとともに、野焼き等の焼却による大気汚染や公害発生の未然防止のため、啓発活動を実施してまいります。
 また、来年度から10年間を計画の期間として、新たな「坂東市環境基本計画」を策定し、これまでの環境基本計画を踏襲しつつ、「ゼロカーボンシティ」の実現と、近年における社会情勢の変化や地球温暖化などの地球規模となる環境問題に取り組んでまいります。
 自動車解体業のヤードにつきましては、県、警察と協力して、施設の適正な管理運営がなされるよう指導を強化してまいります。
 空家対策につきましては、坂東市空家等対策計画に基づき、様々な空家対策を進めてまいります。
 環境美化につきましては、クリーン坂東などの実施により意識醸成を図り、循環型社会の推進では、リサイクルフェアなどの環境学習や啓発活動により、リサイクルの意識向上を図り、ごみの減量化、再資源化を促進してまいります。
 移住・定住の促進につきましては、結婚を機に市内で新生活を始める夫婦を対象に住居費用等を補助する「結婚新生活支援補助金」、子育て世代の転入者を応援するための「子育て世代定住促進奨励金」、移住・定住と市内工業団地へ進出した企業の人材確保の支援を同時に行える「工業団地人材確保移住奨励金」などにより、定住・移住を強力に推進してまいります。
 更に、令和6年度からは、高校・大学等の「奨学金返還支援補助金」を新たに創設し、最も転出が多い若者世代の転出抑制と、U・Iターン等による転入を促進してまいります。

最後は、「仕事づくり」分野でございます。

 農業につきましては、本市の基幹産業として、今後も持続的な発展を可能とする足腰の強い産業としていくため、目指すべき将来の農地利用の姿を明確化する地域計画を策定し、集積・集約化を加速させ経営の効率化を促進してまいります。
 また、新規就農を希望する方や先代事業者から経営を継承する方の支援をしてまいります。
 農産物の消費拡大につきましては、生産者及び農協など関係団体と連携しながら、高品質・高付加価値化、ブランド化を推進するとともに、都内などでトップセールスによる積極的なPR活動を展開してまいります。
 農地の基盤整備事業につきましては、冨田地区、東山田地区の県営畑地帯総合整備事業や下山・木間ケ瀬地区の圃場整備事業を推進してまいります。
 また、各土地改良区に対しましては、湛水防除施設として機能充実を図るとともに、水害の際には、市民の生命、身体、財産を守る機能としての観点からご協力をお願い申し上げますとともに、関係機関と連携して維持管理等に係る支援をしてまいります。
 商業につきましては、事業所や商店などの活性化を図るため、商工会や関係団体等と連携しながら、各種支援事業を実施するとともに、地域の賑わい創出に取り組む商業団体などの活動を支援するなど、地域経済の活性化を促進してまいります。
 消費生活行政につきましては、消費者が特殊詐欺等のトラブルに巻き込まれることがないよう、啓発活動を推進するとともに、消費生活センターを通じて、市民の皆様からの消費者相談業務や消費者教育の充実を図ってまいります。
 中小企業への支援につきましては、金融機関から資金を調達しやすくするため、自治金融や振興金融の融資に伴う保証料の補給を行ってまいります。
 また、消費の促進と市内商工業の振興を図るため、住宅リフォーム資金助成や、新規創業を希望する人材の育成を支援してまいります。
 工業につきましては、坂東インター工業団地につきましては、全画地において完売しており、今後の操業開始が期待されるところでございますが、次なる工業団地整備事業として、県施行による「フロンティアパーク坂東」がございます。令和6年から造成工事に着手する予定となっておりますので、早期の分譲に向け、県と共に事業を進め、雇用の創出と税収の確保に努めていきたいと考えております。
 また、神大実地区につきましては、工業系土地利用を促進する地区計画を策定以来、現在2社の立地が決定しております。今後、地区内の道路整備を行いながら、引き続き企業誘致に努めてまいります。
 観光につきましては、知名度向上や交流人口の拡大を図る目的で毎年実施している「逆井城まつり」や「将門まつり」につきまして、来年度は、合併20周年の記念事業として内容充実を図り実施いたします。
 圏央道関連事業につきましては、国及び東日本高速道路株式会社において、圏央道の4車線化工事ならびに坂東パーキングエリアの供用に向け工事が進んでおります。市においては、これらの効果を最大限に活かすため、県内初、圏央道初となる「ハイウェイ・オアシス」事業に取り組んでおり、現在、先行整備として、民間活力を活かした売店を含む一部の公園施設及び関連道路整備を行っております。来年度も引き続き、快適で魅力的な施設整備に向けて取り組んでまいります。

4 結び 

 以上、令和6年度に取り組む各分野の主要施策を説明させていただきました。今後も、本市を取り巻く社会環境や地域経済は大きく変化していくことが想定されますが、これらの状況を踏まえながら、できる限り次世代への負担軽減を図るとともに、「みんなでつくるまちづくり」の視点に立ち、市民の皆様とともに、新しい時代に応じた未来のまちの姿を考えてまいります。
 今後とも、議員の皆様及び市民の皆様におかれましては、より一層のご理解とご協力を賜り、引き続きお力添えをいただきますようお願い申し上げまして、市政運営の所信とさせていただきます。

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