茨城県埋蔵文化財発掘調査等取扱基準

次の原則Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに該当する場合は、記録保存のための発掘調査を実施するものとする。
工 事 内 容 取 扱 い 事 項
原則Ⅰ 工事により埋蔵文化財が掘削され、破壊される場合 ・すべての工事(原則としてパイル工法の建物を含む。)
原則Ⅱ (1)掘削は埋蔵文化財に直接及ばないが、工事により埋蔵文化財に影響を及ぼすおそれのある場合  ・厚さ30㎝以上の保護層(工事の施工に際して埋蔵文化財を保護するために設ける一定の厚さの土層)が確保できない場合等が該当する。
(2)一時的な盛土や工作物の設置ににより、その重さが埋蔵文化財に影響を及ぼす恐れのある場合 ・低湿地等の軟弱地盤のある埋蔵文化財包蔵地で、盛土や工作物の重さによって埋蔵文化財が地中で変形、又は損壊するおそれのある場合等が該当する。  
原則Ⅲ 恒久的な工作物の設置により相当期間にわたり埋蔵文化財と人との関係が絶たれ、当該埋埋蔵文化財が損壊したのに等しい状態となる場合    (1)道路建設(改良工事を含む。) ・すべての工事。ただし、次のものを除く。
ア 一時的な工事用道路、道路の植樹帯、歩道等
イ 高架・橋梁の橋脚を除く部分
ウ 道路構造令に準拠していない農道、私道
エ 道路の拡幅・改修の場合の既存道路部分
(2)鉄道及び滑走路建設(改良工事を含む。) ・道路建設に準ずる。
(3)ダム建築(砂防 堰堤を含む。) ・堤体および貯水池
(4)河川改修 ・堤防敷及び河川敷内の低水路
(5)恒久的な盛土・埋立 ・原則として現地表面から3m以上の盛土・埋立
・3m未満であっても、地下遺構の保存に影響を及ぼすような盛土・埋立
・古墳、貝塚、城跡等が地表に顕在している場合 
すべての工事に共通の留意事項 (1)原則Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの基準による発掘調査部分と現状保存部分が著しく交錯する場合は、双方を併せた部分を発掘調査の対象とする。
(2)発掘調査を要しない各工事及び工作物等にあっても、将来的な利用計画(盛土施工後の土地利用計画、将来公道への移管が明らかな農道、私道等)、地下埋設物・付帯施設の設置計画の有無・内容等から、埋蔵文化財の保存措置(現状保存・記録保存)を講ずることが困難な場合は、事前に発掘調査を実施することとする。

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