子ども・子育て支援新制度が始まります。
一人ひとりの子どもがすこやかに成長することができる社会を目指して、平成24年8月に子ども・子育て関連3法(※)が成立しました。
新制度は、保護者が子育てについての第一義務責任を有するという基本認識のもとに幼児期の教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進することを目指した制度です。また、子どもや子育て家庭の状況に応じたさまざまな支援を市町村が中心となって行います。
※「子ども・子育て支援法、認定こども園法の一部を改正する法律、関係法律の整備等に関する法律」この3つを総称して「子ども・子育て関連3法(さんぽう)」と呼んでいます。 |
●なぜ新たな制度になるの?
国は、子育てをめぐる現状と課題を解決するため、財源の一部に消費税増税分を取り入れ、「子どもの最善の利益」が実現される社会にしていくために、新しい制度をスタートさせます。
※現状と課題
・近年、保育所の待機児童の増加が女性の社会進出の妨げとなり、そのことが少子化の進行にも影響を与えています。
・核家族化や地域コミュニティの希薄化により、子育て世帯の経済的・精神的負担感が増していることなども、大きな社会問題となっています。
・日本は、先進国では、子どもにかける予算が最も少ない国の一つと言われています。同時に、教育と保育の二重行政による制度の煩雑化・財政負担の増加、幼児期の統一的な教育・保育機会の確保等も課題となっています。
●子ども・子育て支援新制度の内容は?
1.質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供
幼児教育と保育を一体的に行い、幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持つ「認定こども園」について、これまで複雑で事業者の負担となっていた設置手続きの見直しや、二重行政となっていた認可事務、指導・監督、財政措置等を一本化するなど、制度の改善を図ることで、「認定こども園」の普及を促進します。また、公費負担については、確実に教育・保育に要する費用に充てるため、利用者の皆様への直接的な給付ではなく、市から施設等に支払う仕組みとなります(法定代理受領方式)。
2.保育の量的拡大・確保、教育・保育の質的改善
地域のニーズを踏まえ「子ども・子育て支援事業計画」を定め、多様なニーズに応えられるよう、施設型給付施設(認定こども園、保育所、幼稚園)と地域型保育事業(家庭的保育、小規模保育、事業所内保育、居宅訪問型保育)を組み合わせて、市町村が計画的に整備します。
また、上記施設・事業の運営費等の公費負担の仕組みを、給付制度として統一するとともに、教育・保育に対する財政措置の充実を図ることで、供給される保育の「量」を増やし、待機児童の解消を図ります。
さらに、職員の処遇や配置等を改善することで、教育・保育の「質」の向上を図ります。
3.地域の子ども・子育て支援の充実と継続
地域における子育て支援に関する様々なニーズに応えられるよう、地域子ども・子育て支援事業(利用者支援、一時預かり、地域子育て支援拠点事業等13事業)の充実を図ります。
在宅保育のご家庭を含む全ての家庭に対して、子育て相談をはじめ、教育・保育に関する情報提供やサービスの紹介・コーディネート等を行える窓口を設置するなど、ニーズに合ったサービスを選択して利用できる仕組みづくりを目指します。
●新制度実施のための財源は?
消費税増税に伴う増収分のうち、約7,000億円が恒久的な財源として新制度に充てられます。
約7,000億円のうち約4,000億円が保育の「量」の拡大に、約3,000億円が保育の「質」の向上を図るために充てられます。
また、量の拡大と質の改善のためには、7,000億円では足りず、1兆円超の財源が必要であり、政府はその確保に最大限努力することとされています。
●新制度はどんな施設・事業が対象なの?
給付制度の全体像
子ども・子育て支援給付 |
地域子ども・子育て支援事業(13事業) |
<施設型給付> ・幼稚園 |
1.利用者支援 |
給付制度の構成図
施設区分 |
施設内容 |
1.幼保連携型認定こども園 |
認可幼稚園と認可保育所が連携して一体的な運営を行うことにより、認定こども園としての機能を果たす類型 |
2.保育所型認定こども園 |
認可保育所が、保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たす類型 |
3.幼稚園型認定こども園 |
認可幼稚園が、保育が必要な子どもの保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たす類型 |
4.地方裁量型認定こども園 |
幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たす類型 |
5.幼稚園(現行制度継続) |
現行制度で継続する幼稚園 |
6.幼稚園(新制度移行) |
新制度に移行する幼稚園 |
7.保育所(新制度移行) |
新制度に移行する保育所 |
8.小規模保育事業 |
定員が6人以上19人以下で、比較的小規模で、家庭的保育に近い雰囲気の下で、きめ細やかな保育を実施する事業 |
9.家庭的保育事業 |
定員が5人以下で、家庭的な雰囲気の下で、少人数を対象に、きめ細やかな保育を実施する事業 |
10.事業所内保育事業 |
定員は様々で、企業が主として従業員への仕事と子育ての両立支援策として実施する事業 |
11.居宅訪問型保育事業 |
保育が必要な子どもの住み慣れた居宅等において、1対1を基本とする、きめ細やかな保育を実施する事業 |
●子どもや子育て家庭にとって何が変わるの?
支給認定制度は、保育の必要性の有無や必要量に応じたサービス〔施設型給付施設(認定こども園、幼稚園、保育所)と地域型保育給付事業(小規模保育、家庭的保育、事業所内保育、居宅訪問型保育)〕を提供するために創設されました。
新制度では、下記施設・事業の利用を希望する場合、保育の必要性の有無や必要量等についての認定(支給認定)を受けていただくことになります。
提出された申請書類を基に、市が支給認定証を発行します。利用者は、認定区分に応じて、ニーズに合った施設・事業への利用申請を行います。
入所審査にあたっては、当面、市が利用に関する調整等を行い、利用児童を決定します。
具体的な手続き方法等については、現在、国においての議論を踏まえながら市で検討を進めていきます。
<支給認定の区分>
区分 |
対象年齢 |
対象内容 |
利用できる施設・事業 |
1号認定 |
満3歳以上 |
「学校教育のみ(保育の必要性なし)」の認定を受けた就学前の子ども |
・認定こども園 ・幼稚園(新制度に移行した幼稚園) |
2号認定 |
満3歳以上 |
「保育」の必要性の認定を受けた就学前の子ども |
・認定こども園 ・保育所 |
3号認定 |
満3歳未満 |
「保育」の必要性の認定を受けた就学前の子ども |
・認定こども園 ・保育園 ・家庭的保育事業等 |
●幼稚園や保育所などの利用料金はどうなるの?
利用料金は、保護者の所得に応じた負担(応能負担)を基本として、国が決める水準を上限に市町村が決定します。また施設・事業者は、一定の要件のもとで必要経費を市町村が定める額に加えて徴収することが可能です。
坂東市における利用料金については今後検討し、順次お知らせします。
●今ある幼稚園や保育所はどうなるの?
既存の幼稚園や保育所については、引き続き幼稚園や保育所として運営される場合もあれば、幼児教育と保育を一体的に提供する「認定こども園」へ移行する場合もあります。
幼稚園や保育所から「認定こども園」への移行は任意とされていますが、乳幼児期の教育・保育の総合的な提供を図るため、国では「幼保連携型認定こども園」の整備を普及することとしています。
●幼稚園や保育所を利用しない家庭でもサービスを受けられるの?
地域子育て支援拠点や一時預かりなど、保育が必要なお子さまだけでなく、在宅での子育てを中心にされている方への支援も継続していきます。
制度の説明、これまでの協議の内容などは、詳しくは内閣府のホームページをご覧下さい。